この記事では、普通郵便(定形・定形外郵便)の利用方法や配送料金、メリット・デメリットを紹介します。
普通郵便と聞くと、手紙やはがきなどが一般的な使い方で、時期によっては暑中見舞いや寒中見舞い、年賀状などで大活躍していますね。
ところが、近年ではフリマアプリやネットオークションで、購入された商品の配送方法として利用されることが多くなってきています。
利用頻度が高まる一方で、サイズや料金の区分が複雑で少々理解しにくい部分がありますが、使いこなせれば送料を安く抑えることも可能になります。
普通郵便(定形・定形外郵便)とは?
普通郵便とは、日本郵便株式会社が提供する配送サービスのうちの一つ。主に手紙やはがきなどで利用する「定形郵便」と、ある程度のサイズ・重量のある荷物も送ることができる「定形外郵便」に分けられています。
2017年6月1日の料金改定にともなって、定形外郵便の中でも、大きさや重さによって「規格内」と「規格外」に細かく分けられました。
取り扱いサイズの規格こそ細分化されましたが、荷物の重量によって料金が決まるのが、定形・定形外郵便の特徴です。
取り扱いサイズ・配送料金・その他特徴など
取り扱い可能サイズ
普通郵便の取り扱いサイズは、定形郵便・定形外郵便(規格内)・定形外郵便(規格外)の3種類に分けられています。
定形郵便
- 重さ:50g以内
- 最大サイズ:縦23.5cm×横12cm×厚さ1cm以内(長形3号封筒と縦・横が同じサイズ)
- 最小サイズ:9cm×14cm(官製はがきより少し小さいサイズ)
定形外郵便(規格内)
- 重さ:1kg以内
- 最大サイズ:縦34cm×横25cm×厚さ3cm以内(角形2号封筒・A4とほぼ同じサイズ)
- 最小サイズ:9cm×14cm、または円筒形かそれに似た形のもので直径3cm×長さ14cm
定形外郵便(規格外)
- 重さ:4kg以内
- 最大サイズ:長辺60cm以内、3辺の長さの合計90cm以内
- 最小サイズ:9cm×14cm、または円筒形かそれに似た形のもので直径3cm×長さ14cm
※定形外郵便では特例として、6cm×12cm以上の耐久力のある厚紙または布製のあて名札を付ければ、制限より小さいものでも差し出しが可能
どの区分で差し出し可能かがわからない場合は、最小サイズ以上を前提にして、
- 長形3号封筒サイズ以下で、厚さ1cm以内、50g以内であれば定形郵便
- 角形2号封筒サイズ以下で、厚さが3cm以内、重さ1kg以内であれば定形外郵便の規格内
- 上記2つ以外の大きさで、長辺が60cm以内、かつ3辺合計90cm以内、4kg以内であれば定形外郵便の規格外
というように、定形郵便・定形外郵便(規格内)・定形外郵便(規格外)の順番に判断するとわかりやすくなります。
配送料金・基本運賃
定形・定形外郵便の送料は、発送する荷物の重さによって決まります。また、差し出し場所や発送地にかかわらず全国一律料金です。
定形郵便 | 規格内・定形外郵便 | 規格外・定形外郵便 | |
重さ | 料金 | ||
25g以内 | 84円 | 取り扱いなし | |
50g以内 | 94円 | 120円 | 200円 |
100g以内 | 取り扱いなし | 140円 | 220円 |
150g以内 | 210円 | 300円 | |
250g以内 | 250円 | 350円 | |
500g以内 | 390円 | 510円 | |
1kg以内 | 580円 | 710円 | |
2kg以内 | 取り扱いなし | 1040円 | |
4kg以内 | 1350円 |
その他特徴
追跡サービスや補償などはありませんが、追加料金を支払えば、速達・書留・特定記録などのオプションを付けることができます。また、信書を送ることができます。
2021年10月1日より、オプションサービスを付加しない郵便物やゆうメール、スマートレターなどは土曜・日曜・休日に配達されなくなりました。
普通郵便(定形・定形外郵便)もこれに該当するため、これらの曜日をまたぐ場合は配達が遅れることになります。オプションサービスで速達を付加した場合は、土曜・日曜・休日でも配達されます。
普通郵便の利用方法・使い方
送り状の書き方
荷物を入れた封筒や箱に、お届けに必要な情報(郵便番号・住所・氏名)と、差出人の情報を忘れずに書きましょう。封筒や箱に直接書けない場合は、必要事項を記入したコピー用紙を貼ってもOKです。
手続き方法・差し出し場所
料金分の切手を貼って、ポストへ投函でOKです。
ポストに入らない場合や料金を直接支払う場合は、郵便局の窓口で差し出しましょう。
普通郵便のメリット
差し出し場所に関係なく、様々なものが「全国一律料金」で安く発送できる
差し出し場所にかかわらず、配送料金が重さによって決まる全国一律料金ため、上手く使えば、どんな配送方法よりも安く荷物を送ることができます。
例えば、チケット・カード・金券などの薄くて軽い物の発送をする際、定形・定形外郵便(規格内)を利用すれば、クリックポストやメルカリ・ヤフオク専用ゆうパケットよりも送料が安くなります。
- 定形郵便:25g以内84円、50g以内94円
- 定形外郵便(規格内):50g以内120円、100g以内140円、150g以内210円
- クリックポスト:198円
- ゆうゆうメルカリ便のゆうパケット:200円(送料出品者負担時)
- おてがる配送(日本郵便)のゆうパケット:175円(送料出品者負担時)
ゆうパックや宅急便であれば、発送先が遠方になるほど基本運賃は高額になりますが、定形・定形外郵便であれば、差出地や発送先などにかかわらず全国一律料金のままです。沖縄や北海道、離島などに発送しても追加料金は掛からないため、それらの場所へ送料を抑えつつ届けたい場合には、有効な選択肢の一つになります。
ポスターやタペストリーなど、円筒状の物を安く発送できる
円筒状のものを送れる強みを活かして、ポスターやタペストリーなどを送るときに定形外郵便が役に立ちます。
他の発送方法よりも送料が安く済むので助かります。
ただし、3辺合計90cm以内で長辺60cm以内の決まりがあるため、丸めた状態でもサイズオーバーする場合は、素直にゆうパックや宅急便を利用しましょう。
信書を送ることができるサービスの中で、普通郵便は安価で自由度が高い
信書を送れるサービスとして日本郵便株式会社が提供しているものには、
- レターパックプラス(520円)
- レターパックライト(370円)
- スマートレター(180円)
- ミニレター(63円)
などがあります(EMS・国際スピード郵便は国外用なので除外)。
レターパックプラス・ライトと比べると、よほど重量のある物でない限りは、普通郵便で送ったほうが安く済みます。
また、定形郵便や定形外郵便(規格内)の重さ50g・100g程度であれば、スマートレターよりも安くなります。
さすがにミニレターには安さでは負けますが、サイズや重量制限の点で言えば、普通郵便のほうが自由度は高いです。
基本的に普通郵便を利用することにして、荷物のサイズや重量に応じて、レターパックやスマートレターを選択することをおすすめします。
普通郵便のデメリット
追跡サービスがなく、配送中の破損・紛失による補償もない
追跡サービスや補償などがないため、リスクを負って荷物を発送しなければなりません。
追加料金を支払えばオプションを付けることも可能ですが、そこまでするメリットはほとんどありません。追跡サービスや補償などが必要ならば、最初からゆうパックや宅急便などを選択したほうが良いでしょう。
フリマアプリやネットオークションでは、普通郵便は推奨されていない
フリマアプリやネットオークションでは、出品者・購入者の双方が最後まで安心して取引をおこなえるよう、追跡機能や補償の付いた配送方法の利用がおすすめされています。
これは、普通郵便の利用を禁止したり制限しているわけではありませんが、メルカリ・ヤフオク!での購入者の中には、追跡サービスや補償のない普通郵便を嫌う方も少なからず存在します。
購入後のトラブルに繋がる恐れもあるため、普通郵便を配送方法に加える場合には、事前に説明文でお知らせしたり、普通郵便以外の配送方法をいくつか用意しておきましょう。
普通郵便についてをまとめると……
- 普通郵便は、定形郵便・定形外郵便(規格内)・定形外郵便(規格外)に分かれている
- 送料は荷物の重さによって決まる全国一律料金制
- 追跡サービスや補償はない
- 信書を送ることができる
- 封筒や箱に必要事項を書き、切手を貼ってポスト投函・郵便局窓口で料金支払い
- 遠方への発送では、ゆうパックや宅急便よりも安くなることがある
- フリマアプリやネットオークションでは、追跡&補償のある配送方法もあわせて用意しておく
手紙・はがきだけでなく様々な物の発送にも使える普通郵便は、使い方次第で送料をググッと抑えることができますが、それは同時に安心・安全にかかわる配送オプションを犠牲にすることになります。
普通郵便で荷物を送ろうと考えている方は、相手の元へ無事に届くことを優先するのか、送料をできるだけ抑えることを優先するのかを今一度見直してから発送しましょう。
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