この記事では、ゆうメールの概要や利用方法、メリット・デメリットを紹介します。
「ゆうメール」は、本や雑誌、CD・DVD・Blu-ray Discなどの品物に限定して利用できる、珍しい配送方法です。
発送可能なものや発送時の注意点など細かいルールがあるものの、条件次第では普通郵便(定形・定形外郵便)よりも安く送ることができます。
そもそも「ゆうメール」ってどんなサービス?
「ゆうメール」は、日本郵便が提供しているサービスで「冊子状の印刷物やCD・DVD・Blu-ray Discなどの電磁的記録媒体」に限定して発送できます。
発送できるものに制限がある、という点が不思議ですよね?
元々ゆうメールは、「書籍小包郵便物・カタログ小包郵便物」を統合した「冊子小包郵便物」と呼ばれていて、書籍・カタログなどの冊子を送れる郵便サービスでした。
しかし、2007年10月1日の郵政民営化により郵便物ではなくなったため、サービス内容は変えずに名称を「ゆうメール」と変更した宅配便サービスが誕生した、という経緯があります。
ゆうメールという名前なので勘違いしやすいですが、郵便サービスではないので「手書きの文章」や「信書」を送ることはできません。
ちなみに、重度の身体障害者・知的障害者と一定の図書館との間で「図書や資料の受け渡し」をするための「心身障害者用ゆうメール」も存在します(通常のゆうメールと利用条件・サイズ制限・運賃などが異なります)。
ゆうメールのサービス内容・特徴について
ここでは「ゆうメール」のサービス内容について、詳しく確認してみましょう。
名称 | ゆうメール |
料金(全国一律) | 180円(150g以内) 215円(250g以内) 310円(500g以内) 360円 (1kg以内) |
取扱いサイズ | 長辺34cm以内・短辺25cm以内・厚さ3cm以内 |
重さ制限 | 1kgまで |
追跡サービス | なし(有料オプションサービスで追加可) |
補償制度 | なし(有料オプションサービスで追加可) |
配達日時指定 | 不可(有料オプションサービスで指定可) |
集荷依頼 | 不可 |
荷物の発送方法 | 郵便ポストへの投函 郵便局の窓口 |
荷物の受取方法 | 郵便受けへのお届け |
お届けまでの日数 | 翌々日以降(土日祝日は配達されない) |
備考 | 中身が確認できる状態で発送することが条件 着払いが利用可 |
ゆうメールのサービス内容は、普通郵便のものとよく似ています。
ただし、ゆうメールとして引き受けてもらうための条件がいくつか存在するため、後述する内容をしっかり確認しておくことをおすすめします。
ちなみに土日祝日は配達されないため、お届けまでに1週間ほどかかる場合があります。
ゆうメールの取り扱いサイズ・基本運賃について
ゆうメールは、長辺34cm以内・短辺25cm以内・厚さ3cm以内・重さ1kg以内のものを送ることができます。
クリックポストやゆうパケットと同じ取り扱いサイズですが、基本運賃(配送料金)は荷物の重さで決まります。
ゆうメールの基本運賃(全国一律) | ||||
---|---|---|---|---|
重さ | 150g以内 | 250g以内 | 500g以内 | 1kg以内 |
料金 | 180円 | 215円 | 310円 | 360円 |
※心身障害者用ゆうメールの場合は、取り扱いサイズが「3辺合計170cm以内・重さ3kg以内」で、基本運賃は下記の表のようになります。
心身障害者用ゆうメールの基本運賃(全国一律) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
重さ | 150g以内 | 250g以内 | 500g以内 | 1kg以内 | 2kg以内 | 2kg超 |
料金 | 92円 | 110円 | 150円 | 180円 | 230円 | 310円 |
ゆうメールで送れるもの&送れないもの
ゆうメールは日本郵便が提供する「郵便ではない宅配便サービス」のため、普通郵便・ゆうパックなどを利用する時よりも「送れるもの・送れないもの」が制限されています。
ここでは一例を紹介しますが、送れるもの・送れないものについてより詳しく知りたい方は、最寄りの郵便局またはお客様サービスセンターで聞いてみることをおすすめします。
発送できるもの
- 冊子状の印刷物(文庫・単行本、コミック、ファッション雑誌、商品カタログ、パンフレット、会報など)
- 電磁的記録媒体(CD・DVD・Blu-rayディスク、ゲームソフト、ビデオテープ、レコード、パソコンのハードディスク・SSD、ICカード・磁気カード、カメラフィルム、SDカード、レントゲン写真など)
- コイル状の金具でとじられているカレンダー、未記入のノート・手帳など
- 筒状にした冊子
また、荷物と一緒に「内容物より軽い付録」や「かんたんな挨拶状」、返信用の「受取人の住所・氏名の記載された封筒」なども同封して発送できます。
発送できないもの
- 信書(手紙、領収書、履歴書、結婚式の招待状、表彰状、願書など)
- 印刷を利用していないもの(原稿、論文、絵、記入してあるノート・手帳など)
- ポスター・タペストリー、掛け軸など
信書や手書きのもの、冊子状でないものは発送できません。
ポスターやタペストリー、掛け軸などは印刷物ではあるものの冊子ではないため発送できません。
ゆうメールの送り方|宛名の書き方・差し出し方法について
ゆうメールは、他の郵便物と同じように「運賃分の切手を貼って郵便ポストへ投函する」か「郵便局窓口で料金を支払う」ことで発送できます。
ただし、ゆうメールとして荷物を送るには、守らなければならない決まりが2点あります。
- 荷物の外装に「ゆうメール」と表示する
- 内容物が確認できる状態で発送する
上記2点を満たしていない荷物は、ゆうメールとして引き受けてもらえないため、1つずつチェックしていきましょう!
ゆうメールで発送する時の注意点 その①:荷物の外装に「ゆうメール」と表示する
ゆうメールで荷物を発送するには、発送に必要な情報(郵便番号・住所・氏名)だけでなく、見やすい箇所に「ゆうメール」と表示しなければなりません。
ちなみに私は画像のように、封筒や箱の表面に赤字で目立つように「ゆうメール」と書いて発送しています。
ゆうメールで発送時の注意点 その②:内容物が確認できる状態で発送する
ゆうメールで荷物を発送するには、内容物を確認できるようにして差し出さなければなりません。
ゆうメールで発送可能な荷物かを判別するための決まりで、下記3つのいずれかを満たす必要があります。
- 封筒や箱などの納入口の一部を開ける
- 包装の外部に無色透明の部分を設ける
- 内容物の見本を郵便局窓口で提示する
封筒に穴を開けて差し出す方法が一番簡単ですが、配送中に穴が大きくなったり荷物が飛び出す可能性があるので……
穴を開けた箇所に内側と外側から透明テープ(OPPテープ)を貼って、中身が見える状態にしつつ密閉する方法がおすすめです。
内容物の見本を提示してからテープで封をするのも手間なので、私はいつも穴を透明テープで塞ぐ方法で荷物を差し出しています。
どの方法でも構いませんが、必ず郵便局員の方が内容物を確認できるように準備してから、荷物を差し出しましょう。
ゆうメールのメリット&デメリット
ゆうメールのメリット&デメリットについてもチェックしてみましょう。
ゆうメールのメリット①:決まりを守れば、定形外郵便(規格内)よりも安く発送できるかも
ゆうメールは、普通郵便の「定形外(規格内)」よりも安く荷物を発送できる場合があります。
荷物の重さ | ゆうメールの料金 | 定形外郵便(規格内)の料金 |
---|---|---|
50g以内 | 180円 | 140円 |
100g以内 | 180円 | |
150g以内 | 270円 | |
250g以内 | 215円 | 320円 |
500g以内 | 310円 | 510円 |
1kg以内 | 360円 | 750円 |
一部例外はありますが、上記の表を見てわかる通り、基本的にはゆうメールのほうが安価で荷物を送れます。
通常のゆうメールと定形外郵便(規格内)のサイズ・重さ制限は全く同じなので、より安価な方を選んで発送しても良いでしょう。
ゆうメールのメリット②:手紙やはがきとほぼ同じ感覚で利用できる
ゆうメール特有の条件はあるものの、宛名を書いて切手を貼りポストへ投函すればOK、という点は手紙やはがきを送る感覚と似ています。
郵便ポストが近所にあるという場合には、非常に便利な配送サービスです。
また、スマートフォンやパソコンなどを使う必要もないため、アナログな方法でサッと発送することができます。
ゆうメールのデメリット①:発送できる品物が限られているわりに割高な運賃で、似た規格のサービスのほうが便利かも
確かにゆうメールは、冊子状の印刷物や電磁的記録媒体の発送に適しているものの、最善の方法というわけでもありません。
というのも、似た規格である「クリックポスト(185円)」や「スマートレター(180円)」などの配送方法でも、ゆうメールで扱える品物は送れます。
むしろ、ゆうメールは荷物の重さによって料金が変わるため、クリックポストやスマートレターよりも送料がかかってしまう可能性があります。
クリックポストやスマートレターも利用するまでに手間はかかりますが、ゆうメールよりも使い勝手が良いと感じることが多いです。
ゆうメールのデメリット②:送れるもの・送れないものの基準が郵便局や局員によって曖昧なことがある
「ゆうメールで送れるもの・送れないもの」で例をいくつか挙げましたが、発送OKなもの・発送NGなものの基準が郵便局や局員によって微妙に異なるようです。
「郵便局の窓口では断られたけど、郵便ポストから差し出したら発送できた」という場合もあるようで、いまいち「送れるもの・送れないもの」を発送前に把握できないのがデメリットです。
「これって送っても大丈夫な物かな?」と不安になる場合は、郵便局の窓口で実際に発送する内容物を提示して問い合わせるか、お客様サービスセンターに確認してみるのも一つの手ではありますが……
素早く確実に荷物を送りたいなら、思い切って別の配送方法を検討してみても良いでしょう。
ゆうメールについてまとめると……
- ゆうメールは「冊子状の印刷物や電磁的記録媒体」などの発送に特化した配送サービス
- 封筒や箱の外装に「ゆうメール」と記載し、中身が確認できるようにしてから発送しよう
- 定形外郵便よりも安価な場合もあるが、フリマ専用ゆうパケットやクリックポストのほうがお得なことも
- 「これって、ゆうメールで送れるかな?」となったら、郵便局やお客様サービスセンターで聞いてみよう
昔のゆうメールは今ほどサイズや重さ制限が厳しくなく、コミック全巻セットのような発送に適していました。
しかし今は、お得で使い勝手の良い配送サービスが増えてきた影響で、あまり利用されない配送方法になりつつあります。
とはいえ、いざという時に使うかもしれない配送方法のうちの一つとして、覚えておくと良いでしょう。